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しかし今こそ「戦後の伝統」を顧みたい。
一方では職能資格内での最長滞留年数の設定、他方では職能同一資格内において査定によって生まれる賃金格差をたとえば上下あわせて20%程度に限定することは、なお多くのサラリーマンの支持する要求になるはずである。
人事考課を受け入れる条件ではヽ査定制度そのものについてはどうかーここではイギリスの労働組合がヽ多くの場合はしぶしぶ業績考課給(これまでより拡大された職務内での査定による加給制)の導入を承認する際につける条件が参考になる。
一つの研究と、やはり94年の私自身によるききとりと入手資料をまとめてみよう。
「条件」のいくつかは日本の開明的な経営コンサルタントによっても主張されているけれども、イギリスでは人事考課の制度化への労働組合の交渉を通した全面的な規制が基本になる。
順不同で列挙する。
業績考課給はあくまで協約される賃金への付加であり、それにより大きな賃金格差が生まれてはならないこと。
考課点数と支払いの関係が固定的で、人によって異ならないこと。
各評価段階に配分される労働者数に制限のないこと。
労働者個人が面接の場で自分に対する査定について質問し、異議を申し立てうること。
労働組合に相談し、組合役員を同行させ、同意を拒むことも可能なこと。
不同意のケースは、最終的には労使双方から独立した機関で処理されるべきこと。
同僚への評価の情報にもアクセスでき、定期的に総結果の調査もおこなわれるべきこと。
こんな条件がつくのなら人事考課制などやめたほうがましだと経営者は考えるのではないか。
率直にいって、これらすべてを、とくに倒の後半や圓などを、文字どおり「承認条件」ともうるほどの力量を現在のイギリス労働組合が保持しているとは思えない。
だが、その理念と諸条件が労働者にとってもつ意義は明瞭である。
たとえば閣と倒の前半、そしてなによりも労働組合が苦情を申し立てる個人の側に立つ心意気などは、〈個人処遇〉の結果を孤立無援のまま呑まされている日本のサラリーマンにとって切実なニーズということができる。
イギリス労働組合の評価要素論イギリス労働組合は、もちろん人事考課の対象項目にも規制を加えようとしている。
イギリスの公務員労組UNーSONが傘下の電力労働者の業績考課給交渉のために用意したガイドブックから、「よりましな評価要素」と「避けるべき評価要素」を対比させた表をつくってみよう。
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